お子様の皮膚疾患について
お子様のヒフは大人のヒフにくらべてうすいので、外からの刺激を受けやすくて、わりあいかんたんにただれてしまいます。また、汗をかきやすいのでばい菌やウイルスが増えやすくなっています。また、離乳食の時期によく見られる口のまわりを中心としたしっしんの治療の大切さについては、食べもののアレルギーに関係して、この3-4年で大きな変化がありました。
こどもによくみられるヒフのびょうきには次のようなものがあります。
あせも・あせものより
「あせも」は、汗の出口がよごれやアカでふさがれることで、小さな赤い点々ができてきます。あせもの所からブドウ球菌というばい菌が入って、汗の出口があせもより大きく赤くはれてきたのが「あせものより」です。あせものよりは痛かったり、熱が出ることもあります。
とびひ(伝染性膿痂疹 でんせんせい のうかしん)
あせもや虫さされをひっかいてできたキズに、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌というばい菌が入りこんでただれてきます。強いかゆみがある赤いぼつぼつや水ぶくれができたり、おできになってしまうこともあります。汗の出口ではない所にできてくるのがあせものよりとのちがいです。人にうつることもありますので、プールなどはひかえて早めにおいでください。
カンジダ性皮膚炎
便の中などにいるカンジダというカビがふえてくることで赤くなってきます。おむつかぶれとにていますが、ひどくなるとただれたり、皮がむけたりしてきます。市販の薬を使うとかえって悪くなる場合もありますので、そのような時はどうぞおいでください。
水いぼ(伝染性軟属腫 でんせんせい なんぞくしゅ)
ウイルスに感染することによっておこります。その形は小さくぷっくりとふくらんでいるのですが、お山のように平らなところからなだらかに立ち上がるのではなく、人工のドームのようにエッジのきいた立ち上がりをしています。色はあまりないか、少し白っぽく見えることが多いようです。ヒフのやわらかいところ、こすれやすいところによくでてきます。
手足口病(て・あし・くちびょう)
手のひら、ひじ、足のうら、ひざ、口の中などに赤くもり上がった小さな点々や、かための水ぶくれができます。最近になってはやってくるタイプは、できものが手・足・口だけではなくて、からだ中に広がりやすくなってきました。ちょっと水ぼうそうとまぎらわしいびょうきになってきています。コクサッキーウイルスなどに感染することで症状が出ます。口の中のできものには痛みがあるので、食事はなるべく刺激の少ないやわらかいものにしてあげてください。たまにはおとなの方で、口の中がひどくただれてしまうこともあります。
リンゴ病
ほっぺがリンゴのように赤くなります。うでやふとももなどに赤いぼつぼつやレースもようが出ることもあります。ヒトパルボウイルスに感染することでおこってくるびょうきです。おふろに入るのはかまいませんが、かゆみが増すこともあります。日焼けするとかゆみが強いので、陽ざしはなるべくさけてあげてください。
当院の治療方針
皮膚のびょうきは、皮膚を清潔に保つ、温度や湿度の調節をしっかり行うなど、日ごろの生活のしかたもたいせつです。薬をお出しするだけではなくて、症状に合わせて、生活する上で気をつけていただきたいことなどもていねいにお話しいたします。